W1178 D1178 H700
オーク材 クリアーウレタン塗装
横浜市鶴見区 S,T邸
2018年4月30日製作
以前に「天板だけ「ヘの字」型のコーナーテレビボード」を作らせて頂いたS,Tさん、今回はダイニングセットのご依頼です。
S,Tさんご夫婦はお子さんとの三人家族で、マンション住まいです。
問題なのはダイニングルームの間取りです。
ダイニングルームがリビングルームより45cmほど庭側にズレており、ダイニングからリビングにかけての窓がクランク状に曲がった形になっています。
その為、ダイニングルームの入口部分が狭くなっており、リビングからダイニングに移動するための動線が上手く確保できていませんでした。
その点に不便を感じていたS,Tさんは、「テーブルの形を、半円ならぬ1/4円の形にすれば、狭い入口でも邪魔にならないのでは?」と考えました。
なるほど、長さのある円周部分に二人が座って、半径部分に一人が座るようにすれば、三人分の椅子もキチンと収納できます。
前回の「への字型テレビボード」では天板にオークの無垢材を使用し、滑らかな面形と緩やかにカーブさせた形で素材の質感が良く表れていました。
奥様はその感じが大変気に入られた様子で、テーブルの天板も同じイメージにして欲しいとの要望がありました。
そこで、天板の形状はキッチリとした1/4円ではなく大小のRを繋げた滑らかな形にする事にしました。
ハマグリみたいな形ですね。
ここで注意しなければいけないのが安定性の確保です。
三本脚で天板がカーブを描いている場合、脚と脚を結んだ三角形の範囲から天板がオーバーハングしている状態になる為、そこに体重が掛かると反対側が浮き上がってしまいます。
普通の四角いテーブルなら重さが有る為そう簡単には持ち上がらないのですが、三角に近い形状の場合は、持ち上がる側の天板の面積が小さい上、脚も一本しか無いので軽いのです。
持ち上がり難くなる様に脚の取り付け位置は注意して決めました。
良く見ると単純に角に配置していないのが分かると思います。
これは出来るだけオーバーハングの量を小さくする為の対策です。
更に、脚も太目の丸脚にして重量を稼ぐようにしました。
椅子は以前から気に入っていたというシープチェアを合わせました。
丸みのある形状が一致していて可愛いですね。
(シープチェアは残念ながら現在は生産を停止しております)