部屋との調和を考えたキャビネット

美しくなった部屋

W1400 D420 H1250
本体-ナラ 練り付け 天板-ナラ 無垢材 ウレタン塗装
横浜市港北区  K,M邸
2007年7月1日製作

K,Mさんのリビング・ダイニングはほぼ正方形の形をしています。

長方形の場合はダイニングとリビングで空間を分けやすいのですが、正方形の場合だと広さにもよりますが、線を引いたように区分けするのが難しかったりします。
K,Mさんを更に悩ませていたのは、引っ越し時に購入したL字型のソファの存在です。
大きい上に配置の融通がききません。
当初の配置は、美しいコルク貼りの壁の中央にテレビボードが置かれ、その正面にソファが部屋を分断するように配置されていました。
長方形の部屋ならその後ろにダイニングセットを置いても良いのですが、正方形の為そのスペースが足りず、無理にテーブルセットを置いている状況でした。
家具をオーダーする事で何とか広々とした空間に出来ないか?というのがK,Mさんからのご相談でした。

そこで、まずはテレビボードを処分し、ソファは部屋の角に収まるように配置して広さを確保しました。
テレビは、ソファとテーブルから見れる位置として、窓側にテレビ台を新設しました。
そして、ソファを置いた残りの壁には、収納・飾り棚・コンポ収納を兼ねたキャビネットを作る事としました。
キャビネットのテーマは、「部屋との調和」です。
調和させる事で、少しでも部屋を広く感じさせようという考えです。
ベースになるキャビネット下台は、高さをソファの高さに揃えました、揃える事でコルク貼りの壁を横長に見せる事が出来ますので、その結果広く感じさせる効果を生んでいます。
上台は、左端に縦長のガラスキャビネットを作り、そこから右方に向ってオープン棚を設けました。
横長の下台から上方向に延びるガラスキャビネット、さらに棚板部分へと、方向を変えながら徐々に軽くしていく事で、ソファから続く家具のボリューム感を徐々に逃がしています。
これは家具デザイン上の「流れ」と呼べる物で、この「流れ」を上手く整える事が部屋に家具を馴染ませるコツだと思っています。

キャビネット美しくなった部屋