ベンチ付き下駄箱

ベンチ付き下駄箱

W1500 D400 H900
ナラ 練り付け ウレタン塗装
横浜市港北区  N,Y邸
2005年3月24日製作

N,Yさんの奥様より、脳梗塞で体が不自由になってしまったご主人の為に、今ある下駄箱を処分して、ベンチ付きの下駄箱に作り替えたいとのご相談を受けました。

今回下駄箱を設置する場所は、土間より5cm程高くなっていて床と一続きになっています。
土間に設置する場合、土間の傾斜分を調節したり、片側を上り框に載せる設計にしたりする場合が多いですが、今回はその必要はありませんでした。

ベンチの高さをどうするか考えましたが、上り框の分を加えて40cmになるようにしました。
靴を履く時の使い方は、床側からベンチに腰掛けて、土間側に体の向きを変えてから靴を履く形になります。
全体の幅は1m50cmで、その内60cm分をベンチに使用し、残りを通常の下駄箱としました。
一部をベンチにした事で収納量が減りましたので、ベンチの下も有効に利用できるように工夫しました。
この部分の床をスチールパイプによるスノコにして湿気を逃がせる設計にしました。
スノコの下にはトレーを設置出来ますし、扉は跳ね上げ式のフリッパー扉にしましたので、扉を収納して開けっ放しにする事も出来ます。
その為、湿った靴でもそのまま仕舞う事ができます。
デザイン的には箱型のシンプルな形にまとめました。
ベンチの背面にはバックボードを取り付け、このバックボードを下駄箱の高さに揃える事でベンチと下駄箱の一体感を出しました。

ベンチ下の収納内部