雲の城 リビングボード

雲の城リビングボード

W2100 D460 H1190
合板(天板のみサクラ無垢材) ウレタン塗装
横浜市神奈川区 T,S邸
2012年2月23日製作

思い出深い作品なのですが、何故かホームページにアップするのを忘れていました。

T,Sさんのお住まいは横浜市内の小高い丘の頂上付近に建つマンションの4階です。

実はこの場所、以前に道を間違えた時に迷い込んだ事があり、その時に何か不思議な印象を感じていた場所なのです。
マンションの裏側(南側)には、「え、この場所に?」と思うほど意外な大きさの畑が広がっており、目の前をさえぎる様な建物がありません。
その為、T,Sさんのお部屋がある4階の高さからでも素晴らしい景色が楽しめます。
タワーマンションから見る絶景とも少し違う感じですね。
この見晴らしの良い眺めを見て、デザインを決めました。
すなわち、ここは雲の上で、周りには浮雲が流れている・・・ここは雲の城なのだ、と。

リビングボードに対するT,Sさんの要望は、飾り棚のある立体的なデザインを希望していました。
現在のテレビは42インチで幅が1080mmあります。
当店オリジナルのリビングボードの様なオープン棚を作る場合、ある程度の幅が無いと左右への振幅が十分に得られず恰好良くなりません。
今回の場合も、テレビを片側の寄せて、残りのスペースでそれを作ろうと考えてもやはり足りません。
少ないスペースでも、リズミカルで立体感のある棚を作るにはどうしたら良いか?、が今回のテーマとなりました。
オリジナルの様なボックス型では規模が大きくなってしまうので、棚板だけを左右にずらす事にしました。
ただ、それだけではあまり立体的には見えません。
そこで、棚板の左右の厚みを変えた「雲形」の形にする事で、棚板の存在感をアップさせる事にしました。
その上で、それを支える支柱をステンレスパイプにする事で支柱の存在感を弱め、より「雲形棚板」の存在感を高めました。
更に、本体自体も同じ「雲形」をかたどる事で統一感を出しました。
テレビの下はデッキ類を収納するオープンスペースですが、その下は引出になっていて、波型に被さった部分は引出の前板を上に伸ばした物です。

凝ったデザインになりましたが、流れる「浮雲」を上手く表現できたんじゃないでしょうか。

一緒に製作した「雲の城サイドボード」はこちら

雲形棚板の詳細
雲の城リビングボード